昨今のデジタル技術の進歩はすごいです

昨夜、先日入手したZWO社のASI290MCという天文専用デジタルカメラで木星と土星を撮影してみました。
このカメラは、基本的に動画で撮影するのですが、撮影後、PCにて専用ソフトを使用して、動画に記録されている一コマ一コマを合成して一つの写真にします。
合成の過程で、数多くの写真から画質の良いものだけを選び出し、さらにそれを数多く重ねることで、細部を浮き立たせることができます。

昨夜は、上空の気流の状態が良くなく、眼視で観測した際は、水の底の小石を見るような感じに、木星も土星も揺らいで見えており、木星は縞模様が2本、土星も輪が見えるだけでのっぺりした感じんにしか見えませんでしたので、あまり期待をしていませんでした。

しかし、撮影後画像処理をしてみると、木星は大赤班のほか縞同士の間の細かな構造まで浮き出てきました。土星も環のカッシーニの隙間のほか、土星本体の縞模様も浮き上がってきました。
カメラとPC以外の機材は、望遠鏡含め、すべて私が小学校6年の時(38年前)のものを使用したにも関わらず、あまり条件の良くない中、ここまで細部まで映し出せるとは、最近のデジタル技術はすごいですね。

ちなみに、今回木星は10,000枚の画像から画質の良い上位6500枚を、土星は5,000枚の画像から画質の良い上位3250枚を合成して、さらに画像処理しています。

今回は、望遠鏡に直接カメラを取り付けただけの直焦点で撮影を行いましたが、拡大レンズ等を間に入れれば、もっと大きく写せそうです。
今後、機材と私の腕をもっとレベルアップさせ行きたいと思います。

木星
木星の中央より少し右下にあるオレンジ色の丸い箇所が、大赤班です。
木星の台風のようなもので、地球が2,3個入るほどの大きさがあります。
木星右側にある2個の星は、木星の衛星のイオとガニメデです。

撮影データ
Vixen センサーニュートン反射 D=150mm , f=900mm(F6)
Vixen センサー赤道儀
ZWO ASI290MC
Gain=284 (47%)
露出 9.186msec
※Registax6にて10,000フレームの中から6,500枚を抜粋、合成、Wavelet処理し、Photoshopにて色補正
2020年8月23日0:11~
自宅庭


土星
輪の部分の黒い筋が、カッシーニの隙間です。

撮影データ
Vixen センサーニュートン反射 D=150mm , f=900mm(F6)
Vixen センサー赤道儀
ZWO ASI290MC
Gain=284 (47%)
露出 10.64msec
※Registax6にて5,000フレームの中から3,250枚を抜粋、合成、Wavelet処理し、Photoshopにて色補正
2020年8月23日0:23~
自宅庭

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